全員経営 ハイパフォーマンスを生む現場 13のケーススタディ (日経ビジネス人文庫)

バブル崩壊直前に同じような「知的創造企業」という本で、SECIとその実例を出し、日本企業のすごさを紹介したが、その直後にバブル崩壊、すごかったはずの日本企業は失われた20年へ。その「失敗の本質」に言及しないまま、またおなじようにSECIと、現在では誰でも知るすでに成功している実例を並べたたって、どうなんなんでしょう。無理矢理すぎるでしょう。JALの再生だって、すでに飛行機や路線が確保された企業だからできた話しで、単純に半官半民のため上役が腐っていただけ。人心を奮起させるのは稲盛さんの得意とするところで、それさえやれば、すでにベースのある企業だから必ず再生するという、稲盛さんの計算済みのプロジェクトにすぎない。本当に潰れかかった企業はこうはいかずSECIどころか社員に暗黙知すら存在しないでしょう。いずれにせよ、成功した企業にむりやりSECIの良さをはめるのではなく、バブル崩壊前にSECIでうまくいっていたと主張される企業がどうしてこうなったかという「失敗の本質」がしりたい。